造船コース概要(2年次よりコース選択)
船は、人類が造った最初の乗り物です。古より人間の生活に深くかかわってきました。四方を海に囲まれた島国日本でも船は人々の生活を支えてきました。資源が乏しく、食料自給率の低い現在の日本においても、輸入品の99.6%は船で運ばれています。船がなければ、私たちは現在の生活を営めないのです。世界第6位の広さのEEZ(排他的経済水域)を有する日本は、1995年政府は「海洋立国日本」を宣言し、海事産業の法整備、振興を掲げ、全面的バックアップを始めました。海事産業の1つである日本の造船業は、江戸時代の開国から続いている息の長い産業です。1950年代から世界一の建造量を誇り、世界中の船を建造してきました。21世紀の入り、韓国、中国の台頭もありますが、日本の造船業は、信頼と技術力で世界をリードしています。
本校造船コースは、「造船の町、下関」で、造船を勉強できる高等学校として昭和19年に設置された長い歴史のあるコースです。造船を勉強できる高校は、全国に5校しかなく、非常に希少価値があります。そのため、市内の造船、造船関連企業はもとより、全国の造船所から求人がきており、数多くの卒業生が、日本各地の造船所で活躍しています。
本校で造船技術者として未来のスペシャリストになるための知識・技術を学びませんか。
造船とは?
*工事中*
造船の仕事
船は、個別受注生産品で船主から注文を受けてから造られます。船を造る場所が造船所で広い敷地の中で、多くの人たちが大きな船を造っています。
船ができるまでを示すと
① 受注、契約・・・船主から注文を受け、契約を交わすことで船造りが始まります。
② 設計・・・どのような船にするか図面を描き、船主と話をしながら描き上げます。1隻の船に5000枚の図面が必要です。
③ 鋼板の切断、曲げ・・・船は1枚の鋼板を加工することで作業が始まります。厚い鋼板を複雑な曲げを行う「ぎょう鉄」という特殊な作業があります。
④ ブロック製作・・・船は、100個程度のブロックを作り、それらを溶接し船にします。
⑤ 塗装・・・船は、鉄でできているため錆びやすいので、特殊なペンキを塗ります。
⑥ ブロック搭載・・・ドッグでブロック同士を溶接し、船が海に浮く状態になります。
⑦ 機関搭載・・・船のエンジンを積み込みます。エンジンは非常に大きく、重たいものです。
⑧ 進水式・・・船が浮く状態になったので、ドックから出すために進水式を行います。
⑨ 船体艤装・・・船の中の電線をつないだり、機械、パイプなどを取り付けます。
⑩ 試運転・・・設計した通りの性能があるか実際に走らせてテストします。
⑪ 完成・引き渡し・・・やっと船の完成です。
造船所には、①から⑪まで様々な仕事があり、短期間ですべての仕事を理解すること、一人で行うことは困難です。造船所では、入社後に研修を行い、必要な資格を取った上で本人の希望を聞きながら、どの仕事に配置するか決定します。
造船の資格
二級ボイラー技士(国家資格)、機械検定技能士(国家資格)、機械加工技能士(国家資格)、危険物取扱者乙種(国家資格)など
専門教科の授業内容について
その他【学習・活動等】
造船コースの実習風景等
船体性能試験
回流水槽
ソーラーボート
建造設備
(ガス・電気溶接・自動切断機)